代々木で合同研修

この時期、色々な会社組織で新人研修が行われてるのだろう

で代々木オリンピックセンターにて公務員合同研修があった
二泊三日、公務員という点では同じながら防衛から国税まで色々。
さらに自分には久しぶりの日本での合宿生活という環境で新鮮だった。


小泉:首相の演説を聴く。壇上に幾人ものSPが立つ中演説をした。「初心忘れるべからず」。顔とトレードマークのGrey Hair。幾列ものスーツの合間から首相を注視し続けるとなにかTVの画面をみているようであった。


丹羽:伊藤忠商事会長。優しいおじいちゃんという印象は以前ガイアの夜明けというTV番組で見たときより。「心に栄養と」いうメッセージがテーマ。語り口がとても温和。温和な語り口、しゃべるトーンや大きさよりも目の表情から。


上甲:元松下政経塾長。関西出身だからか、身振りや手振りをつかって、話の間や時折(というよりほとんど一貫して)笑いを織り込ませ、話をしてくれた。本当に話術が達者。学ぶべきもの多々(しかし90分講話だったので少し船をこぐ)。「高邁な精神を持って志を高く」ともうひとつ、「人を変えられると思うな、責任をもって変えられるのは自分だけ」。と語ったのが印象的。


そこで上甲さんが語ってくれた挿話を一つ:
水俣病が流行った頃、と有る村で一人の母親が病気に感染した。伝染を恐れた村人は彼女を避け始めるようになる。買い物の御代に渡すをお金などは直接うけとらず割り箸で拾い、煮沸して初めて受取る始末であった。そんなある日、山で道に迷っていある村人の敷地内に字はいってしまった。そして彼女を追い払う為に肥溜めの糞尿を投げかけた。全身糞にまみれた寛恕は悔しさと恥ずかしさに震えたは夫に、「どうかお願いだから復讐をしておくれ、そしたら私も死ぬ」と泣きながら頼んだ。だが夫はよく本当にできた人物であった。「たとえ復習をして、その一瞬うかばれた気持ちになってもそれではお前は一生幸せになれない。他人を変えれると思うな、どうか耐えてくれ」と悔しさを抑えて諭した。しかし娘は有る夜父親が夜中家を出、村里はなれた海辺で声を出しオン、オンと泣いているのを見たという


…母親はその後40年間、どうか彼らを許せるよう、耐えられる自分に成れるよう、毎日毎日、それだけを思い過ごしていたという。40年経ってそのうち近所の人たちが彼女の家へ来ては手を合わせ拝み、どうか許してくれ、と来るようになった。その母親は死ぬ前にこういって死んでいった、今まで生きてきて良かった、この40年間も良かった、自分は人を人を許せる人間に変われた。


こういう話にはめっぽう弱い。そしてこういう話をできる人には大きな大きな魅力を感じる。人と人は何かの縁。こういったお話が聴けて良かった。