Fuegos de Euskadi (バスクの火)

amadeyus2008-11-26

バスク自治州(Pais Vasco)サン・セバスティアンまで旅行。


電車が毎日一本、6時間で到着。9月にサラマンカへ来てから初めての旅行だったのだけど、いささか貧乏なこの地方都市の生活に馴染み過ぎたのか、スペインで最も豊かとされるバスク自治州サンセバスティアンの豊かさと心地よさが眩しかった。


羊飼いが羊を追うサラマンカを北東へ向けて走り、バスク州へ入ると、最初に通る州都ビトリア辺りから、周りの様子が違ってくる:
(1)砂漠・荒地の景色が、紅葉の並木通りに、(2)コンクリートの集合住宅に代わり、庭付き一軒屋が目立つようになり、(3)通過する駅舎もだんだんと飾りが豊富にそして綺麗になってくる。
他には、特に「何が」というわけでもないけれど、道歩く人々の様子も、どことなく余裕があるように見える。




バスク自治州は、産業革命以降、常にスペインで最も豊かな地域であり続けてきたのだけど、たまたま今日、大学の講義で、スペインの自治制度について言及があった。バスク(と隣のナバラ)は、スペイン国内で唯一、国ではなく県レベル(自治州の一つ下の行政主体)で徴税している自治州で、県で一律に徴収した上で、それぞれの県が国から享受していると思われるサービスに応じて、一定額を国へ支払うシステム*1を採っている。

*1:これは、fuego(スペイン語で「火」)という、レコンキスタ(〜15世紀)時代まで遡る(地域レベルでの)伝統的な特権で、こにより、バスク内の富(税金)はバスク内に収まることが可能となり、他の地域に比べ、その豊かさは頭一歩抜け出ているのだそう。